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4-45 ● キスジセアカカギバラバチ Poecilogonalos fasciata kibunensis

2005年 8月 菊池市菊池渓谷 (熊本)

● カギバラバチ科 Trigonalidae ● ツリフネソウの群落のあちこちの葉を飛び移りながら葉縁の裏側に一つずつ産卵を繰り返していた寄生蜂のキスジセアカカギバラバチで、産み付けられた卵は極めて小さく、20倍のルーペで漸くその存在を認めることができた。 大きさは0.1×0.05mm位。 肉眼ではまず判らない。 この卵の小ささは、植物の葉を齧るハバチや鱗翅類の幼虫に噛み砕かれずに食べさせるためで、その体内に入った卵はやがて孵化するのだが、寄主となった幼虫の体内に寄生バチや寄生バエの幼虫(ウジ虫)がすでに寄生していることが絶対条件となる。 つまり、キスジセアカカギバラバチの幼虫はそのウジを食べて育つのである。 このことは、寄主を殺さずに蛹にまで成長することへの巧妙な手段だと納得できる。 寄主に寄生していたウジの大きさによって栄養状態が左右されるようで、成虫の体長には6〜10mmと、かなりの差が認められる。 写真の個体はやや小型の体長7mm。

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